2019/05/30


海洋戦略論: 大国は海でどのように戦うのか


経済も国家の力を背景にしている部分がおおいにある。現状どうなってんのかねというのをざっくり知りたかったときに twitter で総論ぽい内容だという書評を見かけたので読んでみた。

本書の内容そのものはやはりある程度専門知識が必要。なんとなく、でいいなら素人でも読める。用語説明もちゃんとある。もっとも興味のあった中国について、一応腹落ちできたのでよかった。ヨーロッパの分析は各国で見ていて、EU てそういうもんだっけという感覚はある。まあたしかに経済的にも軍事的にも EU が一枚岩で動くというのは正直ないだろうし妥当だろうな。共通通貨作って関税撤廃まではできても各国固有の通貨は廃止できず市場もそれぞれ軍事もそれぞれ。政治的な事情もそれぞれだしなあ。軍事について世界で上位六か国について分析する本なので、ドイツやフランス、もちろん中央アジアの国々は出てこない。

分析の根拠になるデータがもう少しあるとよかったな。各国軍部の計画や所有する武器種類やその数あたりを元にしているが、予算や人員の配分も影響があるはず。お上の計画通りに現場が動いているとも限らない。とりあえずまとめとしては中国はまだ道半ば、ただ今後順調にいけば数十年後にはアメリカに挑戦しうるということ。一帯一路でドルに頼らない経済圏が確保できたら次世代の覇権争いのはじまり。

(21:02)

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